イケてたゲームプログラマが会社を辞めて電気工事士の資格をとる理由

こんにちは。ヤマヤタケシです。
会社を辞めて、実家に帰ってきて、いろいろと活動していますが、最近の最優先事項は第2種電気工事士の資格取得に向けての勉強です。
なぜ、第2種電気工事士を取りたいのか?
その動機を語ります。
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学生時代もあわせると20年ほどゲームプログラムべったりな人生でした。
このゲームプログラマとしてのスキルには自信がありますが、それと同時に限界も感じました。

どんなに良いプログラムでもハードの発展によって普通のプログラムになってしまうのです。
ハードの限界を引きだして高速動作するクールなコードも、ハードの発展によって遅いクソなコードでも処理時間は誤差の範囲内になってしまいました。
また、コンパイラが変わればコードも変わりますし、プラットフォームが変われば関数名も変わります。2Dのゲームが3Dのゲームになり、いまはサーバー&クライアントやP2Pは当たり前です。
しかも、ハードが変わればプログラムも変更せざるを得ませんし、OSのアップデート程度でも変更が必要な場合があります。つまるところ、いつも振り回されてしまうのです。

これでは、いつまでたっても楽にはなりません。

本来コンピュータゲームは著作物であり、資産価値があるはずのものです。
ところが、私が感じるところによると、コンピュータゲームは書籍や映画と違って、著作物というよりは生鮮食料品の様に消費されてしまいます。
原因の1つがハードがないと動作しないからです。もちろん移植する事は可能ですが、場合によっては目で見て、耳で聞いての作り直しです。それらは、どうも違ったものに思えます。

もちろん、既存の物を陳腐化させて、速く激しく変化していくことは、デメリットだけじゃありません。
速いからこそチャンスがあります。若い人がのし上がるには、良い市場だと思います。
しかし、33歳になった自分があと10年このまま仕事をしたとして、次の10年はどうなるのでしょうか?

技術やプラットフォームの変化に振り回され続けるのは、自分の脳が老化することを想定すると、いずれ限界がきます。
限界がきて稼げなくなるのは、困ります。

老いたコンピュータエンジニアは、技術を必死でアップデートしていくか、管理職や経営者になるか、営業や総務や人事などの一般職になるなどの対応が必要です。
しかし、どれもそれまで培った知識とは別のものが要求されますし、総務や人事や営業にはそのみち10年20年のベテランがいます。
それまでプログラムばかりしてきた人は勉強のし直しになります。

もうすでに、ベテランの3DプログラマもUnityなどのゲームエンジンによってその技術を披露する機会が減りました。さらに前には、回転や拡大などの2D画像変換も驚きがありましたが、今では話題になりません。VSync割り込みを利用してスプライトの数を2倍とか、HSyncもいじってラスタースクロールとかもはや過去の物です。

ゲームという商品の売り上げに対する、プログラマの貢献度の割合はどんどん減っていきました。
もちろん、今でも「新しい」ゲームはプログラマの貢献度は高いと思いますが、「既存」のゲームは各種ゲームエンジンがプログラマ抜きでゲームを量産できるようにしています。
そんな事を考えた結果、やっぱりハードもちゃんと管理しないと人生の主導権を得られないという結論に達しました。
時代に逆行していると言われそうですけれども、いまはそれを信じています。

PC9801からMac book proまでいろいろなパソコンを触ってきましたが、今の時代であってもPC9801が向いている用途もあります。
OSが自動アップデートして、不意に再起動するようじゃ、工場の機械は怖くて動かせません。

ゲームというほぼコンピュータの中だけで完結する仕事を続けていましたが、現実の世界での価値に注目して仕事をしたいと思っています。

今、ゲームプログラマを辞めて、第2種電気工事士の資格の取得のために職業訓練校で圧着ペンチを持って学習していますし、その後はシーケンス制御について学びます。
それら基礎技術を身につける事で、ハードの電気部分はある程度安心して作れるようになります。
小さい電圧では、あまり人を驚かせられませんし。危険もありますけれども・・・。

本当に新しいものは、ハード込みで設計する必要があるといつぞや悟りました。ハードを自作できれば、プログラムは自信があるので、100vで動作する独立した物を作れます。

最初のグーグルがむきだしのマザーボードをたくさん積み重ねて作られたという写真が心に残っています。
新しい事をやるときは、お金をかけれません。自分でできる事を増やして、出費を抑えます。ソフトウエアだけで実現できる事はもう誰かが実現している気がしています。
そういうわけで、ハード込みで設計して、新しい事をやってみようと決めました。

さて、そういう高い理想にむけた動機もありますが、基礎的な生命維持のために、どうにか稼いでいく必要があります。そう考えたときに、電気工事の仕事は安いかもしれませんが、100Vの電気工事の仕事自体はなくならないでしょう。年金が破綻するので、老後は細々とエアコンを取り付けたり、コンセントを増設したりして食べていこうかと思います。

そんじゃまた。

追記、自分が購入したものたちのアフィリエイト張っておきます。

—- 2014/08/05 追記 ——-
この記事を書いてから1年経ちました。威勢のいいコトをかいておきながら、結局、2014/8現在、第2種電気工事士を取得したものの、元のゲームプログラマーをやっています。

電気工事士の世界にしろ何にしろ、別の業界に飛び込むと新人からやり直しになります。つまり、給料が安いのです。

この記事を書いているときは移りゆく技術についていけるのか不安でした。しかし、ゲームではないプログラムで新しい開発環境に意外と順応できたので自信を持てました。

もうしばらくは新しい技術を取り入れてやっていけそうです。電気の知識も決して無駄ではなく自分の世界を広げてくれました。今の時点で思うのは、大胆に別世界にジャンプするよりは、じわじわと今の世界から行きたい分野に移動して、今の収入と将来の収入のバランスをとってキャリアを考えようと思います。

応援よろしくお願いします!

イケてたゲームプログラマが会社を辞めて電気工事士の資格をとる理由” への10件のコメント

  1. このような記事みると、SEとかPGとか厳しいのかなと思っちゃったりします。

  2. 記事読ましていただきました、面白かったです。これからも頑張ってください。

  3. ピンバック: 昨日の記事「イケてたゲームプログラマが会社を辞めて電気工事士の資格をとる理由」は過去最高でした! | ヤマヤタケシのブログ

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