京極夏彦の「ヒトでなし 金剛界の章」を読了

こんにちは。ヤマヤタケシです。

京極夏彦の「ヒトでなし 金剛界の章」を読みました!
最近の京極作品はあまり面白くないのです。いや、そこそこおもしろいです。姑獲鳥の夏から始まる人気シリーズに比べると物足りないだけです。
そのシリーズを心待ちにしているのによくわからない作品ばかりがリリースされています。
それでも魍魎の匣のときの衝撃を期待して、見かける度に買って読んでいます。

新潮社の立ち読みの波
から引用ですが、
「これ、読者が望んでいるものじゃないだろという自覚はある。まあ、ラーメン屋で美味しいラーメンが食べられるのは幸せなことなんだけれど、ラーメンを頼んだのにパスタが出て来て、首を傾げたままいやいや食べたらまあ不味くはなかったという、そういう感じは、好きなんです。」
なので、意図的ですねー。
まあ、読者の望むことというよりはやりたいことをやっている感じでしょうが、不満に思いつつも待つしかないですね。

そんな流れでの「ヒトでなし」の読了です。どうしようもなく諦めてしまった主人公の「どうでもいい」話でした。

ただ、ときおり涙があふれるんですよね。なんだか奇妙な体験です。なんだか泣ける、理由はよく説明できないのです。

根底には仏教というか宗教的なものが流れているのですが、表には日常と偶然が織りなすドラマです。
最近の作品では珍しくないのですが、妖怪はでません。
もう、妖怪のストックにそこが見えてきたのかもしれません。面白いのは使っちゃったのかも・・・。

そんなわけで、最近の京極作品のなかでは高得点に面白い作品でした。
オススメです。

そんじゃまた。

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